今年の茶摘みが終わった頃,FR-130Tにヘッジトリマーのツールを付けて茶の木を剪定していたら突然パタリとエンジンが止まってしまった.販売店さんに持ち込んだら意外なところが壊れていた.4サイクル刈払機を分解した写真も珍らしいと思うので記事にしてみる.
バルブを動かすカム部を分解したところ.
カム部にあるプレス部品の一部が剪断していた.
左側に丸まった金属片が写っているが,これがシリンダーの中に入っていた.
4-Mixエンジンの仕組みから推察すると,オイル潤滑のルートでクランク室→シリンダヘッド→吸気バルブ→シリンダへと入り込んだのかも知れない.
シャフト受けが削れて真円ではなくなっている.
4-Mixエンジンのシリンダヘッド.
(ここは壊れていない)
シリンダ内に多量のカーボン.
エンジンオイルには気を遣っていたつもりだが(?)
販売店さんでは手に負えないということでスチール社に送って対応をして戴いた.ふつう壊れるような箇所ではないと思ったので,それなりの期間はかかると予想していたが,販売店さんが代替機を出してくれたのでなんとかしのぐことができた.
そしてようやく彼は戻って来た.
エンジンの冷却フィンに加工がされている.
フィンには数字のレーザー刻印がされている.
スパークプラグのマウント部がほんの少し削られているようだ.
プラグがシリンダ内部に少し突き出したことになる.
修理報告書によるとカム機構に何らかの対策がされたようだ.現行販売機では既に対策済みらしい.その問題とは別に,プラグのマウントが加工されているのは今回2箇所の対策を行ったと考えられる.
推察だが,プラグマウント部の加工はカーボン付着との関連があるのかもしれない.
今回はスチールさんのご配慮で無償対応して戴いた.そういう類の故障だと思っていたし,対策も為されているようなので修理期間はかかったが結果的には満足している.
帰ってきたFR-130Tで自宅周りの草刈りをしたが,やっぱりこの機械はいい.
堅い株立ちの草にも回転が落ちることはなくストレスを感じないし,機械重量は10kg超と数字のうえでは重いが,フレーム(背負子)がしっかりしているので荷重が分散されて体感上の重量はさほど感じない.4-Mixエンジンの排気は刺激臭が少なく穏やかだ.
FR-130Tの良さは修理期間中の代替機と比較して再認識したことだった.その代替機は軽量型の背負い式だったが,腰まわりだけの一般的なフレーム構造では体感上の軽さを感じないどころかむしろ肩に荷重が集中してつらかった.そして手に伝わる振動が意外に大きいことが疲れを増長させ,2サイクル特有の排気臭は作業のモチベーションを削いだ.刈刃が草の株にあたると急激に回転が落ち作業が捗らなかった.
比べるほうが酷だが,仕事量と疲れの比率がまったく違う.
唯一の欠点はトリガースロットルの操作性と思うが,もう慣れてきて,さして重大なことではなくなってしまった.
(2015/8/20 一部加筆修正)