[故障状況]
電源を入れて間も無く,発振しているようなギャーという雑音が出る.雑音の大きさはボリューム位置と関連がない.アンプとしての機能はかろうじて片Chから音声が出る程度.
[原因特定]
ボリュームと関係のない発振音なので増幅段より前でおそらく電源回路と推測した.
筐体を開け3端子レギュレータIC(LM317)を発見.入力と出力の電圧を測定するも出力なし.死んでる.
シリコングリスの劣化具合から,放熱が追いつかなくて熱破壊したのだと思う.
↑ビニル電線の絶縁被覆も簡単に裂けてしまった
(...修理後に測定したらLM317の入力16Vくらいレギュレート出力6.3V.放熱は薄いシャーシのアルミ単板,それがやっと触れるぐらい温度上昇する.ちょっと無理がある設計なのかなと思った)
(...基板の電解コンから離れた位置に電線を引いてマウントしてあるので,発振防止のパスコン入れるのがセオリーらしいが対策はされていないようだ)
電解コンデンサも全て外して容量測定した.やはり容量抜け.(これは仕方ないね)
[修理]
レギュレータLM317の交換.その際に絶縁シートがシリコーンシートだったので念のため薄いテフロンシートに換えた.(熱抵抗は比較的小さいかなと思い)
レギュレータの入力と出力に面実装のPPSフィルムコンデンサ0.1uFをパスコンとして挿入.
効果のほどは知らん.おまじないです.
電解コンは銅箔巻きシールドして全て交換.効果のほどは知らん.おまじないです.
[試聴]
いかにもキャラクターを持ってそうという予想に反し,ストレートで色付けを感じず古い音源も現代の録音も違和感なく聞ける.ソースの良さをそのまま伝えてくれてる感じがする.こういうの好きかも.
ソース機器としては自作のD/Aコンバーターを使った.DACチップにTDA1547を使ったeBayなんかで流通してるKITをベースに,アナログサウンドを目標にチューニングを重ねているもの.
ソース:PCオーディオ (Macbook/Audirvana→USB-DDC→自作TDA1547DAC)
プリ:counterpoint SA-3
パワー:LINN C2200 x 2 (BiAmp駆動)
スピーカー:LINN AKURATE 242
LINNのフルシステムは繊細というか情報量が多いけれどスレンダーな感じがするが,counterpointのプリをかますと大らかでちょい骨太になる.これは聴いていて楽しい.
しばしの音楽鑑賞ののち,修理品は無事にオーナーの元に引き取られていった.
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